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Espionage

第二次大戦中、枢軸側の暗号が解読されていたことは、今となっては周知の事実です。
英米の華々しい成功と比べると今一ですが、日本でも暗号解読は行われており、海軍や外務省の暗号が解読されている可能性を指摘した釜賀少佐等がよく知られています。
自分が解読している位だから敵も……となるのは当然で、暗号機に絶大な自信を持っていた海軍や外務省とことなり、陸軍では理論的に解読されない乱数表の使い捨てという、自国の補給能力を鑑みない方法を用いていました。そのおかげで、乱数表が鹵獲されない限りは解読出来なかったそうです。
解読されないようにするための面白い方法として、米軍ではネイティブアメリカン(アメリカインディアン)に自分たちの言葉で喋らせると言う方法があったそうです。
その一方日本の場合……薩摩弁で会話させると言う方法を実際に使用した事があるとか。

それでは、お楽しみいただけると幸いです。

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 内容の、要求は想像出来る。
 見合った代価、いやむしろ英国人が代価を先に提示したと言うべきか。しかも、前金を振り込むという念の入ったやり方で。
 実際、代価に見合う商品の提示こそ困難と言えるだろう。ましてや相手は英国人。お人好しから一番遠い位置にいると言う認識があながち間違いでない相手だ。
 何が質悪いと言って、相手の反応を元に理解度が測定《テスト》出来る点だ。ボンベの価値が理解できないような連中相手なら、送ったところで単なる暗号解読機。だが、暗号を解読できる装置よりもその方法《プロセス》こそが重要だと言う真理《真理》を知る者であれば……
 幸か不幸か、現在の特務機関を統括する者は、人間性はさておき政治と諜報に関しては異様なまでに適正を持っていた。それだからこそ、不知火の名を持つ彼ーーいや、彼女ーーが派遣されたのだ。英国の仕掛けた嫌みよりはわかりやすいのが難点だが、理解していると言う事を伝えるだけならこれで十分と言える。
 そう、問題は代価に見合う商品の提供だ。ボンベに見合う見返りなぞ、そう多くはない。不知火の名と、昇格したてとはいえ大尉の階級故、ある程度の個人裁量は許されている。まあ、実質的に失敗した任務にも関わらず政治的理由で昇級した事こそ、辻をしてこの任務に派遣した真の理由かもしれない。
 実際には、不知火でなくても可能な商品もあるのだが、あまりに値が高すぎる。それはそうだろう。英国側《フェデレーション》に参戦するなどという報酬では、せめてラインハルト・ハイドリッヒ親衛隊上級集団長(SS大将)の首でも無いと割に合わない。
 とすれば、仁多研関連か、東欧に築き上げた情報網か。
「手紙には、今あんたが思っとる原子力、ほら、あんたらの言う格子力、あれについてTさん自ら『ボンベを教えてくれた礼として記すが現物の対価にはならない』と書いておったが、流石によく分かってる」
 目の前の、今の首相とよく似た体型の男は、意地悪そうな笑みを顔一杯に浮かべて、二杯目のハイボールに口を付けた。
「ボンベの現物だけなら妥当なところだとは思いますが、この場合は確かに仰るとおりでしょう。しかし、そうなると選択肢が限られてくる」
 不知火は、軽くグラスに口を付けると、同意の意味で頭を少し傾けた。
「Tさんもそれは認めてる。それなりの対価となると限られておるとな。
 まあ、そうあせらんでもよろしい。日本人も、英国人《儂ら》同様に時候の挨拶等を好むと聞いておる」
 苦笑と呼ぶべき表情を浮かべながら相槌をうつ不知火に、卿は、どうも米国人共はその点せっかちでいかんと何かあったらしくぶつぶつと文句をたれると言葉を続けた。
「まあ、続きは明日と言うことだ。今度来るときは制服は止めた方がよい。見慣れる軍服は、かえって目立つからな。
 ということで、ケ……いや、大尉。こちらのお嬢さんをお連れしろ。では、不知火大尉《Captain》。またお会いしましょう」
「あの、私は大尉《Lieutenant》ですが」Buroferudo


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